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2009J-ACTINETサマースクール見学実習内容(予定)

3施設での見学実習は次のような内容を予定しています。

1. 東北大金研大洗センターアクチノイド元素実験棟

(1)色々な化合物の単結晶を観察しよう!(担当:東北大・山村朝雄)
  化合物の性質(物性)は原子配列に依存しているので、単結晶による実験が不可欠です。我々グループではフラックス法、化学輸送法、チョクラルスキー法などにより多くの希土類・アクチノイド系化合物の単結晶を作成してきました。少量の単結晶片を安全な形で準備しましたので、肉眼や光学顕微鏡で間近に観察してみましょう!

(2)金属の溶融状態を観察しよう!(担当:東北大・李徳新)
  合金や金属間化合物の殆どは、溶融状態を経由して作成します。当センターには3台のアーク溶解炉が設置されていますが、今回はウラン化合物などに試料作成に使われている汎用テトラアーク炉内で金属を溶かしている様子を観察しましょう!上から降ろした棒の先に融体の粘性を利用してゆっくり引き上げると単結晶を作成することも出来ます(チョクラルスキー法)。

(3)最先端の物性測定装置を見学しよう!(担当:東北大・本間佳哉)
  アクチノイド化合物は、遷移金属系や希土類系の化合物とは異なる磁性や伝導現象が観察されます。当センターには、アクチノイド研究の管理区域としては数少ない、ドハース・ファンアルフェン効果測定装置(希釈冷凍機)、核磁気共鳴分光装置(NMR)、メスバウアー分光装置、磁化測定装置などが設置されています。
簡単な原理説明や模擬実験を予定しています。

2. JAEA 照射燃料試験施設(AGF)

(1)遠隔型燃料製造設備・照射後試験設備の見学(遮蔽セル)
・セル内Am含有MOX燃料の製造ラインを見学
・焼結ペレットの寸法・重量測定セルにおいて、実際のペレットの測定を見学
・照射後燃料の試料調製(切断、研磨、表面処理、溶解)セルライン見学
・切断燃料ピン(5〜10cm長)の見学
・照射後燃料金相観察の体験:実照射済燃料の金相観察、光顕の観察位置を 操作する

(2)燃料の物性測定(遮蔽セル)
・燃料物性測定ラインを見学
・M/S操作体験:燃料ペレット(模擬)・溶液化学実験器具のハンドリング

(3)コールド実験・教育訓練(コールド実験室)
・コールド実験設備(粉末冶金設備)の見学
・グローブボックス作業体験:燃料ペレット(模擬)・溶液化学実験器具のハンドリング

3. JAEA 燃料研究棟

燃料研究棟では、Arガス雰囲気グローブボックスや内装機器の見学のほか、超ウラン元素を含有した合金試料の電子顕微鏡観察、熱分析や電気化学測定などの現場を体験して頂きます。